水彩画教室での制作作品です。
サイズはF6、テーマは「水に浮かぶ倒木と枯葉」。
制作手順は以下の通りです。
1. 鉛筆で倒木と水に浮かぶ主だった枯葉を下書きし、練り消しを転がして書いた線を薄くする。
2. マスキングの1回目。水に浮かぶ葉と枯れ木にかかる蔦と水面のハイライトにマスキング。
3. 前面にウオッシュで枯葉が沈む水面をイエローオーカー、トランスルーセントオレンジ。バンダイクブラウンで彩色。
4. マスキングの2回目。沈んだ枯葉や枯れ枝でポイントとなるものにセカンドマスキング。
5. 水底に多数沈んだ枯葉を表現するために、葉の周囲の影部分をネガティブペイントで描く。色はインダスレンブルーとバンダイクブラウンの混色
6. 上記の色を使って枯れ木の表面を書き込む
7. 2回目のウオッシュで、光の濃淡を強化。オレンジ系やブルー系も足して奥行き感を演出。
8. マスキングを外し、一枚ずつ葉の彩色。仕上げとして影を足したり、部分的に濃度を上げたり、沈んだ葉を書き加えたりして全体のバランスを整える。
以上、皆さんのご参考になれば・・・
コメントをお書きください
渡辺 (火曜日, 08 1月 2019 08:39)
繊細な仕上がりで美しいです。
何段階も手を加えて、丁寧に描かれているのですね。
マスキングの2回目は、色のついたところを更にマスキングする、ということでしょうか。
菅根 (火曜日, 08 1月 2019 13:04)
はいその通りです。
金子 (火曜日, 08 1月 2019 13:41)
とても綺麗な色彩と形に、ハッとします。
やられた〜〜!!って感じ、です。
ただ、私には、この写真から水は感じられません…
枯れ枝の角度のせい?
それとも、水をま上から見た絵を
あまり見たことがないからでしょうか?
実物にはきっと水の感じがあるのでしょうね。
森田 (火曜日, 08 1月 2019 16:57)
色合いも素晴らしくきれいな作品ですね。
マスキングを駆使されているとのこと、どのような道具を使っておられるのか教えてください。細い線をマスキングしようと思い、筆やペンの先に塗料を付けて試みましたが、なかなかうまく行きません。ご教示頂ければ幸いです。
菅根 (水曜日, 09 1月 2019 09:40)
絵画の元になっているのは写真で、水深は約30cm。水は透明で水底はくっきり見えますが、画面右上を中心に光が当たり水面が淡く反射しています。先生の手本作品を見ると倒木と水面の境目の表現、特に倒木の下半分が水に沈んでいるところや絡まる蔦の水上部分と沈んでいるけど透けて見えている部分の書き分けが絶妙です。これはダブルマスキング効果とウォッシュの技巧ですが到底真似ができません。また浮かんでいる葉っぱと水底にある葉っぱの距離感も影の入れ方とネガティブペインティングで水底に沈む葉を感じさせる筆さばきで表現されていますが再現不能です。
次に細かい表現でマスキングのついてですが、一番のコツは筆選びです。
画材屋に置いてある柔らかい穂先の筆ではなく、ホームセンターで100円ぐらいで売っている安物の細くて硬い穂先の筆が最適です。私が使っているマスキング用は穂先の長さが1.5cmの面相筆様のものです。使い方は、小さな皿にシュミンケのマスキングインクを垂らし、その小さな筆で水を1〜2回含ませて撹拌して使います。このマスキング筆を洗うのには、直径3cmくらいの小さなプラケースに水を入れ、オックスゴールを3〜4滴垂らして洗浄液としています。
森田 (水曜日, 09 1月 2019 17:10)
貴重なノウハウのご伝授ありがとうございます。早速試してみます。
金子 (木曜日, 10 1月 2019 00:43)
先生のお手本、凄そう!!
菅根さんはいつも前向きに難しいことにチャレンジされていますね。
私は口だけ達者でなかなか描けません。